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樹状細胞療法には3種類あります。
(1) 自己樹状細胞腫瘍内局注療法(DCI)
(2) 自己癌抽出抗原提示樹状細胞ワクチン療法(TP-DC)
(3) 人工抗原提示樹状細胞ワクチン療法(PP-DC) | |
樹状細胞療法は、最新の癌免疫療法です。アメリカでは1995年ごろから樹状細胞を使った臨床試験が行なわれています。日本では1998年ごろから樹状細胞療法が行なわれています。 正確な効果はでていないため研究段階の治療ですが、大きな副作用がないので、日常生活を犠牲にすることなく安全に外来で受けることができます。

▲樹状細胞に、自己癌の特徴や、人工抗原を覚えさせることにより、癌を認識した樹状細胞(ベテラン教官)になります。
樹状細胞は白血球の仲間で、白血球を採血し特殊なサイトカインを使って育てると樹状細胞に変化します。樹状細胞は、癌を食べて消化すると、その癌の特徴(抗原と呼びます)を提示するので教官に例えることができます。 樹状細胞(教官)は、患者さんの体の中に送り込まれると、体のなかで普通のリンパ球(生徒たち)に教育をして、自己リンパ球(兵士)として成長させます。教育するときに使う教科書が、抗原と呼ばれるもので、教科書の種類によって様々な兵士が誕生します。 教科書に書かれたことを教えこまれた生徒たちはつぎつぎに兵士に育っていき、体の中を巡回し癌(犯罪者)を見つけると攻撃していきます。体の外で兵士を育て、体の中に戻すのが自己リンパ球移入療法ですが、体の中で自ら兵士育てるようにしむけてやるのが樹状細胞療法です。

▲癌を認識させた樹状細胞(ベテラン教官)を皮膚に注射すると、樹状細胞は自分で近くのリンパ節へ移動します。そこでまだ戦いを知らないリンパ球に、攻撃相手である癌を教え込み、癌を認識した兵士に育てます。教育された兵士は、体の中を循環し癌細胞を攻撃します。
(1) 自己樹状細胞腫瘍内局注療法(DCI) この治療法は自己癌が保存されていない場合や、人工抗原が使えない場合にも行なうことができる、樹状細胞療法として開発されました。 体の中の自己癌に樹状細胞を直接注入すると、樹状細胞は自己癌の一部を食べて消化し、その特徴を表面に提示してリンパ節に移動していきます。リンパ節という訓練所で普通のリンパ球(生徒たち)は教育をうけ、兵士に育ち癌を攻撃します。超音波検査、内視鏡検査、あるいはCT検査で癌塊を捕らえながら、その中に針を使って樹状細胞を注射します。 この治療はアメリカや日本で臨床試験が始まったばかりで正確な効果はわかっていません。しかし東京女子医科大学消化器病センターでは、消化器癌の手術後再発の患者さんを対象に臨床試験を進めており、大きな副作用がなく安全に受けていただけることをすでに報告しています。また有効例が認められており、日常生活を犠牲にすることなく、受けることが可能な樹状細胞療法として期待されます。
(2) 自己癌抽出抗原提示樹状細胞 ワクチン療法(TP-DC) 樹状細胞の使う教科書として自己癌を使う療法です。手術で切除された癌を調整して、体外で樹状細胞と混ぜ合わせて皮下注射(ワクチン)する療法です。 小児期にうける予防接種と同じ原理で、ワクチンによって、体内に自らの力で癌を取り除こうとする力、あるいは癌の成長を抑えようとする力を導くことを目的としています。自己癌と樹状細胞を混ぜ合わせると、樹状細胞は自己癌を食べて消化し、その癌の特徴を表面に提示します。この樹状細胞をワクチンとして皮下注射すると、教官となってリンパ球(生徒たち)を教育します。癌の特徴を教え込まれたリンパ球は兵士となって体の中を巡回し癌を攻撃していきます。 海外では皮膚癌や腎臓癌の再発を対象にワクチン療法がすすめられていますが、正確な効果はまだ不明です。日本では肝臓癌、膵臓癌、あるいは大腸癌を対象に自己癌抽出抗原提示樹状細胞ワクチン療法の臨床試験が進められています。
(3) 人工抗原提示樹状細胞 ワクチン療法(PP-DC) 自己癌が保存されていないとき、樹状細胞の使う教科書として人工抗原を使う療法です。皮膚癌(メラノーマ)を中心に、癌がつくっている異常な物質を標的とする人工抗原が見つかっており、現在それらの人工抗原を使った樹状細胞ワクチン療法の臨床試験が進められています。 人工抗原をつかったワクチン療法は癌の髪型や服装といったみかけを利用した療法です。人工抗原と樹状細胞を体外で混ぜ合わせた後皮下注射すると、樹状細胞は教官としてリンパ球に、癌の見かけの服装や髪型を教えます。リンパ球は、見かけの特徴をもとに癌を探し出して攻撃する兵士となります。 自己癌が保存されていなくても、すでに利用可能な人工抗原を使えばよいので、簡便にできる療法ですが、自己癌と人工抗原の服装・髪型があわなければ利用できません。
また人工抗原を利用できる樹状細胞の型(HLAといいます)があるため、すべての方が人工抗原提示樹状細胞ワクチン療法を受けることはできません。現在臨床試験が進んでいる途上です。 |